デモクラシー@ルテアトル銀座
鹿賀丈史 市村正親
近藤芳正 今井朋彦 加藤満
小林正寛 石川禅 温水洋一
三浦浩一 藤木孝
演出:ポール・ミラー
装置:堀尾幸男 照明:沢田祐二 衣裳:小峰リリー
音響:高橋巌 舞台監督:渋谷壽久
〜第2次世界大戦後、東西冷戦の最中にドイツを統一に導き、ノーベル平和賞を受賞した元西ドイツ首相ヴィリー・ブラント(鹿賀丈史)。この実在する政治家が失脚するきっかけとなったのは、公私にわたり行動を共にしてきた秘書ギュンター・ギョーム(市村正親)が東側のスパイだったという事実〜 首相個人秘書が敵国のスパイ。嘘のような本当の話。 ヴィリー・ブラント(鹿賀丈史)の演説で幕開け。
これぞオーラと言うべきか、ただ立っているだけでものすごい
存在感と説得力。⇒Moreへ。
スーツが最後までぴっちり糊がきいていてとにかくかっこ良い。自分の出生や反ナチス活動に参加、当時亡命していた事にコンプレックスを持つ
、鬱の傾向と酒と女が手放せないという役柄に
はまりまくり。声を張る時に喉でもわっとした音を出すのが始めのうちかなり気になった。
その
ヴィリーに民間からの
初個人秘書として入り込むスパイが
ギュンター・ギョーム(市村正親)。いつもの感じ。スパイしつつも敬愛している姿は善人にしか見えない。
18年もスパイしていたそうですが。
ギュンターの真のボスは
東ドイツ国家公安局のえらい人(“
ミーシャ”という名のみ登場)なんだけど、直接接触する東ドイツのエージェントに
今井朋彦。ギュンターをスパイと知らず登用する西ドイツ首相府担当大臣に
近藤芳正。
主役ふたりは言うに及ばず、この二人が達者で、台詞劇として
完成度高。
みーんなスーツで、舞台も黒いしなんか
黒ずくめなのにキャラがたってる。
温水さん小林さんいい味出してる。
石川禅氏のうざい芝居は、うざキャラを見事に演じていたということで。うざすぎ。でもみんながこっち向いて立って止まっているときに一人だけ地図の方向いて後ろ頭で存在感出しておいて、結局芝居がかって振り付けちっくにずれたタイミングでがばーと振り返ったのには
悪いけどぶーぶー。
意味無い。邪魔。悪目立ち?まあ、あの面子じゃそうでもしないと
観てもらえないのかもしれないけど。
ギュンター市村をスパイと疑う
ノラウ・温水さんを影で支配するのが党の裏ボスでもある
ヘルベルト・ヴェーナー(藤木孝氏)。ここの関係がもうちょっと記憶に残るとラストのギュンター市村の台詞が生きるかも。(うろ覚えだけど、ヴィリーを引き摺り下ろす為の駒にされたというようなことを言っていたと思う。)
が
、鹿賀氏と市村さんの互いを尊敬し高め合う姿が
首相と秘書、そのままふたりの姿に重なってものすごい
説得力。スパイ疑惑があるにも関わらず
バカンスに家族ごと招待するほどの信頼をギュンターに置いていたヴィリー。
自分は東ドイツのスパイである、しかしヴィリーに対する気持ちは嘘ではない、本当のことを言ってしまいたいという良心の呵責と、一人息子への裏切りへの罪悪感。(ヴィリーの息子とギュンターの息子は
大の仲良しになったとか。ヴィリーもギュンターも父がいない。)
ついに逮捕されたギュンターはその場で自白。
『
息子のためにそうしたのだ』とすぐに理解するヴィリー。
ギュンターがいなくなったヴィリーはその責任と共にまさに転がり落ちていく。
黒幕たちの思惑が彼を政権から引き摺り下ろす。上下そろっていないスーツを着、サッカー放映時間にぶつけての遊説に支持者は集まらない。
実際のヴィリー、彼はその後も実権を握り続けたそうだが、服役を終え東ドイツに戻ったギョームは家族離散、息子はギョームの名を捨て、両親と縁を切ったという。
ベルリンの壁崩壊が1989年。まだ子どもでなんだかよくわからないでテレビを見ていた。
第二次世界大戦後、米・英・仏・ソの4カ国によって分割占領されたドイツでは、賠償問題をめぐって米ソの対立が強まる中で1947年米・英・仏管理地区とソ連管理地区とが事実上東西に分離した。ソ連の隷属下にあった東ドイツの人々に暮らしは劣悪で、多い日には一日に3万人もの逃亡者が西ドイツへと逃れて行ったとか。
10人のスーツ姿の男たち、政治、地味な舞台。
一幕では一瞬気が遠くなりかけたものの、二幕ではぐーっと惹き付けられました。確かに簡単な話ではないけど、見応えのある重厚な作品。当時のことを知りたくてたまらなくなり、パンフも購入。他人事では無いなあと。
昨日ル・テアトル銀座で当方も「デモクラシー」を観て来ましたので、嬉しくなってTBさせて頂きました。戯曲も買ったほど芝居は素晴らしかったのですが、チラシの山が大変でした・・・